自然体で生きる

  人は体と心そして魂の三位一体で存在しています。日々の生活や思考、価値観が自分にとって自然ではない時、本来の自分を生きられなくなり病気になっていきます。意識せずに信じている価値観を見直すことから、魂が望む在り方を知ることができ、細胞レベルでも自己と非自己の判別が進んで、免疫の機能は高まっていきます。

  ホメオパシーは、心身の不自然な状態に気づきを与え、自己治癒力を触発し、体が自ら自然な状態に戻ることをサポートします。症状を抑えるのではなく、出し切れるように後押しすることで、体質を改善し芯から健康を取り戻していく自然療法です。


ホメオパシーとは

 今から250年ほど前に、ドイツ人医師サミュエル・ハーネマンによって確立された自然療法で、「症状を起こすものは、その症状を取り去るものになる」という同種の原則に基づいています。この考え方の起源は今から500年ほど前のパラケルスス、さらに古代ギリシャのヒポクラテスまで遡ります。

 ハーネマンとその弟子たちは、物質がどの様な症状を起こすかを知るためにあらゆる物質を少量とり、そこに現れる心身の症状を記録し、マテリア・メディカと呼ばれる症状全集を作り上げました。そのまま投与すると現物質は体に有害なものが多いことから、物質がなくなるほど高度に薄め、叩くことで活性化させ、情報を引き出した液体を砂糖玉に浸み込ませ、レメディーと呼ばれるものを開発しました。ホメオパシーは、同種として選ばれたレメディーを投与して治癒に至った膨大なケースの集積の上に成り立っています。多くの症例をもとに発展してきており、欧州、インド、中南米などでは広く認識されています。


症状について

 ホメオパシーでは症状を病気とは考えず、気の流れが停滞することを病気と考えます。症状は本来あるべき姿に戻ろうとする働きの一部で、体に溜まった異物や老廃物、病原体などの非自己を、熱や下痢、発疹などで排出している表れです。これらは体が行う生体反応であるため、出ている症状を抑えてしまうと、自己が非自己を認識して押し出そうとする免疫の働きは弱まっていくと考えます。

 ホメオパシーでは体が出している症状をもとに、同種として選ばれたレメディーを投与し、その人が持つ不自然な状態に気づきを与えます。レメディーが適合すれば自然治癒力は揺り動かされますが、レメディーが同種ではなかった時は、共鳴して自然治癒力に作用することはありません。また治癒の過程では排泄が促進されるので、一時的に症状を増幅させる好転反応がみられることがあります。

 ホメオパシーはその人に元来備わっている生命力に働きかけて、気の流れを回復させることを目的としています。


インナーチャイルド

 体と心と魂は密接に関わり、自分がもつ価値観の影響を受けます。感情を抑えることや不自然な考え方など、魂が望む在り方から離れてしまうと、自分本来の生命を生きられなくなり病気を作っていきます。その大きな原因にインナーチャイルドがあります。

 神道によると魂は神の分霊であり、人は本来神のごとくこだわりのない価値観をもつと考えることができます。けれども私たちは小さい時から親や先生の信じている価値観の影響を受けながら、社会に適応していこうと本来の在り方から逸れてしまいます。わがままを言ってはいけないとか、優秀でなければならないと思い込んでしまうことで、わがままを言う人を許せなくなったり、優秀であろうと必死に生きたり、優秀ではない人を見下したくなったりします。本当はただわがままを聞いてほしかったり、優秀ではない自分でも認めてほしかったり、条件をつけずに愛してほしかっただけなのに、と悲しんでいる子供の自分が自分の中にいるのです。発露した感情は表現されずに抑圧されると、その感情を感じた自己はそこにとどまり、それが表現されるまで消えてなくなることはありません。過去に取り残された感情は潜在意識に存在し続け、今の自分の反応として出てきます。

 インナーチャイルドを癒し、必要としなくなった価値観を手放すと、分離していた自己は自分と一体になり、本来の自分の生命を生きることができるようになっていきます。同種のレメディーは、体のみならず感情にも作用し自然治癒力を揺り動かすことができるので、インナーチャイルドを癒していく助けになるでしょう。

 インナーチャイルド癒しは、自己治癒力を発動させるための大事な取り組みです。愛や賞賛を求める子供の心から、自分で自分自身を労わり、慰め、愛することができる自立した大人の心へ移っていくことを目標としています。


好転反応

 好転反応は自然治癒力が動き出したサインです。本来の健康を取り戻す過程で、過去の解決していない心身の問題が戻ってくることや、抑圧されていたものの排泄がはじまることがあります。好転反応についての理解が深まりますので、『由井寅子のホメオパシー療法入門』をご参考ください。

 

 代表的な好転反応として以下のようなことがあげられます。

発熱・下痢・咳・分泌物の増加・眠気やだるさ・風邪のような症状・過去の症状(痛み・記憶・感情)がもどってくる等。

 

 ホメオパシーでは治癒の方向性として以下のようなものがあります。

  1. 病気の前の性格に戻る
  2. 昔抑えた症状が戻ってくる
  3. 症状が内側から外側へ
  4. 皮膚発疹などは、上から下へ
  5. 症状が心から体へ

 好転反応が出てつらい場合、基本キット(※)をお持ちの方は症状に合うレメディーをお選びいたしますので、メールにてご相談ください。

 また、ご自身あるいはご家族の判断により、医師などの専門家に掛かることが必要と思われる場合は、これを制限するものではありません。納得できる形でホメオパシー療法を続けられ、ご自身の自然治癒力を取り戻されることを願っております。

 

※レメディーが36種類入った基本キットは、多くの急性症状に対応できるように選ばれており、好転反応が出た時や応急時の際にも役立ちますのでご用意していただくことをおすすめしています。副作用がないため妊産婦や赤ちゃん、服薬中の方やペットにも安心してご利用いただけます。基本キットは豊受モールなどのホメオパシーのレメディー販売店でお買い求めいただけます。